Docker MCP Toolkitが統合されたので再度セットアップから連携までを解説
前回、下記で拡張機能のDocker MCP Toolkitの導入について記事を書きましたが、非推奨となったので再度記事を書きます。
さて、以前の発端は以前のDocker MCP Toolkit経由だと日本語が文字化けするという問題があったのでIssueを発行したことでした。
しかし、思ったよりやり取りも活発じゃないから廃れるのか・・・?と思っていたら、そもそもこのリポジトリ、アーカイブ行きになってしまいました。調べてみると、Dockerの機能として統合されたということがわかりました。

というわけで今回は、非推奨になった拡張機能版との違いに触れつつ、新しくなったMCP Toolkitの有効化から、AIエージェントとの連携方法までを書いていきたいと思います。。
MCP Toolkitって、何がそんなに良いの?
前回の記事と近い内容かもですが、まあもう一度書きます。
そもそもAIエージェントが賢く動くには、外部のツールを自由に使えることがめちゃくちゃ重要です。MCPっていうのは、そのための共通言語みたいなものですね。
ただ、これまでのやり方だと、いくつか面倒な点があったんです。
- ツールの管理が大変: 信頼できるMCPサーバー(ツール)を探して、一個一個インストールして…っていうのが地味に手間でした。
- 環境構築が複雑: ツールごとに必要なものが違ったりして、環境の差異に悩まされることもありましたね。(フルパス入れないとダメだったり)
- セキュリティ大丈夫?: 認証情報の管理とか、ちょっと心配になる部分もありました。
MCP Toolkitは、こういう面倒な部分をまるっと解決してくれるツールです。Docker Desktopの設定を少しいじるだけで実現できます。
- ツールの発見が楽ちん: Docker Desktopの中から、信頼できるツールを検索して、ポチっとするだけで有効にできます。

- セットアップがほぼ不要: 依存関係とかをDockerが全部やってくれるので、面倒な設定作業から解放されます。まさにゼロ・マニュアルセットアップ。
- セキュリティも安心: Dockerコンテナの技術がベースなので、CPUやメモリ、ファイルアクセスなんかもちゃんと制限できて安全です。OAuth認証にも対応してるので、アカウント連携も安心。
- クライアント設定が劇的にシンプルに: これが一番嬉しいポイントかも。ツールキットが窓口(ゲートウェイ)になってくれるので、AIエージェント側の設定は一度やればおしまい。後からツールを追加・削除しても、クライアントの設定を変える必要がありません。
【新手順】MCP Toolkitのセットアップ
じゃあ早速、新しいMCP Toolkitを有効にする手順を見ていきましょう。もし以前の拡張機能版を入れてる人がいたら、先にアンインストールしておいてくださいね。あと、これは比較的新しい機能なのでDockerを最新にしておいて下さい。
1. MCP Toolkitを有効にする
まずは、Docker Desktopの設定からベータ機能をオンにします。
- Docker Desktopを開いて、右上の歯車アイコンから「Settings」を選びます。

- 左のメニューから「Beta features」を選択。
- 「Enable Docker MCP Toolkit」っていう項目があるので、これにチェックを入れます。

- 最後に「Apply & restart」ボタンを押して、Docker Desktopを再起動。
再起動すると、Docker Desktopの左側のメニューに「MCP Toolkit」っていうのが新しく表示されてるはずです。
2. MCPサーバー(ツール)を入れてみる
次に、使いたいツールをカタログからインストールします。ここでは例として、Context7を使ってみましょうか。(Context7はAIに公式ドキュメントを食わせたい時によく使います)
- Docker Desktopの左メニューから「MCP Toolkit」を選びます。
- 「Catalog」タブを開くと、使えるツールがずらっと並んでいます。
- 「Context7l」サーバーを探して、右側にある「+」(プラス)アイコンをクリック。これでインストール完了。

サーバーによっては、ちょっと追加の設定が必要です。例えば、GitHubサーバーの場合は、自分のアカウントと連携させないといけないので、「Configuration」タブに切り替えます。
Secretsはその後必要なSecretsを入力します。(SeretsはGithubで払い出す必要があります。詳細はAIに聞いてみて下さい)

AIエージェントとの連携
MCP Toolkitの真価は、AIエージェントと繋いでこそ分かります。ツールキットが窓口になってくれるおかげで、エージェント側の設定がシンプルになります。
以前の設定(Before)
これまでは、例えばCursorみたいなAIエージェントの設定ファイルに、使いたいMCPサーバーの情報を一個一個、全部書かないといけませんでした。環境によってはフルパスで指定する必要があったりして、管理が本当に面倒でした…。
// 以前のCursor設定ってこんな感じでした(抜粋)
{
"mcpServers": {
"filesystem": {
"command": "/Users/takumi/.nvm/versions/node/v22.14.0/bin/node",
"args": [
"/Users/takumi/.nvm/versions/node/v22.14.0/lib/node_modules/@modelcontextprotocol/server-filesystem/dist/index.js",
"/Users/takumi/Documents/src/private_src/daily/2025-04-27/mastra-embeddings-sample"
]
},
// 他のサーバー設定が延々と続く...
}
}
新しい設定(After)
ClaudeとかCursorとかなら以下の接続ボタンを押せばいいだけです。
私は今接続しているので、Disconnectと表示されています。

例えば、Visual Studio CodeでMCPツールを使いたいなら、settings.json
にこれを追加するだけ。
JSON
// VS Codeのsettings.json設定例
"mcp": {
"servers": {
"MCP_DOCKER": {
"command": "docker",
"args": [
"mcp",
"gateway",
"run"
],
"type": "stdio"
}
}
}
個別のサーバー設定は、ぜーんぶDocker DesktopのMCP Toolkit側で管理します。新しいツールを追加したくなったら、ツールキットのCatalogからポチっとするだけ。クライアント側の設定は一切触らなくていいです。
実際にこんな風に使えます
シナリオ1: VS CodeでGitHubのIssueをチェックする
上の手順でVS CodeとMCP Toolkitを繋いでおきます。
VS Codeのチャットで@agentって打ってエージェントモードにして、「@mcp #tools」と聞いてみると、使えるツール(この場合はGitHub)のリストを教えてくれます。
あとは「僕のリポジトリでオープンになってるIssueを一覧にして」みたいにお願いすれば、エージェントがGitHubツールを裏で使って、結果を返してくれます。
シナリオ2: Claude DesktopでWebページを操作する
MCP ToolkitのCatalogから、今度はPuppeteerサーバー(ブラウザを自動操作するツール)も追加しておきます。
「Clients」タブを開いて、Claude Desktopの横にある「Connect」ボタンを押すだけ。(Claudeが起動してたら再起動が必要かもです)
これだけで、Claudeはブラウザ操作とGitHub操作の両方ができるようになりました。
「docs.docker.comのスクリーンショットを撮って、その色を反転させて」みたいな、複数のツールを組み合わせた複雑なお願いも聞いてくれるようになります。
まとめ
Docker Desktopに統合された新しいMCP Toolkit、かなり良い感じです。
- 設定が楽。Dockerの設定をいじるだけ。
- AIエージェント側の設定もめちゃくちゃシンプルになって、管理が楽に。
- Dockerのコンテナ上で動くから、セキュリティも安心。
- どんなMCPがあるかたまにカタログから見つけて試しやすい。
とまあ、今回はこんな感じです。
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